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Author:喫茶案内人
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棗兄妹、ALL、恭介×小毬話が主成分です。
恭介×来ヶ谷、真人×クドも微妙にあるかもしれません。
※理樹鈴は基本恋人です。ゆい姉と葉留佳さんは恋愛感情で理樹が好き。他の娘は違うって設定が基本(あくまで基本ですが)

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有給休暇は今のうち―リトバス☆戦記―
こちらはゲーム「リトルバスターズ!」のパロディ小説を置く臨時特設ページです。飽きるまでゆるりと応援するつもりです。(飽きっぽいですが)おまけに更新速度も遅いです。
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リトバスSS「棗家のクリスマス事情」(恭介×小毬夫婦+毬子)
※恭介×小毬CPで夫婦設定。その子供で毬子視点のクリスマス話です。
ちなみに毬子は4コマの小毬の妄想上の娘です。
1巻しか買ってないのでその後出番があったのか知りませんが、毬子の性格が鈴に似ているので、父親は直枝じゃなくて恭介じゃないかって話を聞いたのが切っ掛けだったと思います。
ちなみに約一年前のクリスマス付近に8割方書いて放置していたものを今更書き上げました。(だから当初のオチは忘れました)



棗家クリスマス事情


「サンタさんが帰って来るまで、食べちゃダメよ!」

 ウキウキした顔でびしっと人差し指を突き付けて来た母様は、また変なことを言い出した。

 クリスマスと言うフィールド効果によってテーブルに並べられた豪華料理の数、数、数!
その魅惑の存在を前に、何故に実在しないはずの架空人物を待たなくちゃあいけないんだ。

 だがこんな発言も我が棗家では良くあることだった。
あたしの母様である「棗小毬」は、子供ながらに見ても美人だ。
しかし中身の方はと言うと、赤裸々な各種メディアの流す毒電波に犯されてしまい、スレまくった現代の子供たち(あたしは違うぞ)よりも遥に純粋な子供精神の持ち主だったのだ。
そのメルヘンチックな思考回路の攻撃に倒れて出来た屍は、片手では足りないと聞く。

「毬子、どうかしたの? 時間潰しに、あっち向いてぽんぽこたぬきさんでもやる?」
「なんだその幼稚園児を相手にお母さんが作ってあげましたよ的な遊びは!」
「あっち向いてぽん!ぽこたぬきさん!」
「『ぽん』であっち向くのか『さん』であっち向くのかよくわからないだろ!」

 まぁ、見ての通りだ。
たまに一緒に町を歩きたくなくなる。

ぴんぽーん。

「サンタさんだ!」

 と言って母様は駆け出して行ったが、普通そのセリフや行動は子供であるはずのあたしがするものじゃないのか。
呆れながらも、ご馳走をお預けにされた恨みがあるから、あたしもその元凶であるサンタとやらを拝みに行ってみる。

 すると玄関には変態に抱き付く母様がいた。……母様、浮気するならせめて地球人の顔をした奴にして欲しかった。

「お、お、お前誰だ?」

 その変態はブードゥー教の儀式とかで使われてそうな原始的な顔をした奇怪な仮面をつけた男だった。

母様は笑顔で「サンタさんだよ」と言う。

 どう見ても違う!

変態は笑ってるのか泣いているのか怒っているのか無表情なのかわからない仮面のまま「斉藤だ」と言った。

 だから誰なんだよッ!

泣きそうになりながら仮面の男を睨み付けていると、

「うまうっうまうっうまうっ」と小刻みに喉を震わした声が、仮面の奥から聞こえて来て、一瞬呪詛でも唱えてるのかと思った。

 だけどどうも笑っているらしい。

「メリークリスマス、毬子」

 イヤに優しい聞き覚えのある声が聞こえてきたと思ったら、外された仮面の中身の顔は、なんと父様だった。

「きょーすけ」
「お父さんと呼べないのか?」

 既に諦めた声で言う。
取り敢えず浮気じゃなかったみたいだ。

 この人はあたしの父様の棗恭介。職業は自称旅人だ。
本当のところはよくわからないが、よく家に帰ってこない日が続くから、ただのサラリーマンとかじゃあないのだろう。
真面目に旅人な可能性も有り得なくはないような、そんな男だ。

「どうしたんだ。いつもは家に帰ってこないのに、今日はイヤに早いお帰りだな」
「おいおい。なんだか帰ってきちゃ悪いみたいな口振りだな」
「そりゃあ父親が変態な仮面を着けて、変態な笑い声を発して帰ってこられたらどんびきに決まっている」
「変態は酷くないか。お父さんの青春の象徴だぞ」

 そんなものが象徴の青春は嫌だ。

「うん。サンタさんの衣装がなくて、なぜかきょーすけさんが大量に持っていたこのお面で、みんなで幼稚園に行ったよね」
「うんうん。幼稚園のクリスマスイベントは大好評、阿鼻狂騒の渦で終わったなぁ。懐かしい」
「阿鼻狂騒が悪い意味なことぐらい、あたしは知っているからな」

 どうせ聞いていないだろうが、子供の義務として突っ込んでおく。

「俺の卒業と共に潰れた斉藤ショップが、新しくオープンされてて思わず大量に買っちまったぜ」

 斉藤ショップって何だよ!?
って言うか、そのでっかい袋の中身は変な仮面ばかりなのか!!

「ほら毬子! 今まではこれが手に入らなくてサンタさんいなかったけど、今年からはサンタさんが家に居るんだよ!」
「そんなサンタはいらん!」

 なんとか説得して変態仮面(本人たちはサンタのつもりらしい)がクリスマスに毎年やってくるような自体は免れた。
やれやれ、あたしはご馳走だけ食べられれば良いと言うのに、面倒ばかり起こす両親だ。

「まさかサンタがくれるクリスマスプレゼントは、その変態な仮面とか言うつもりじゃないだろうな?」
「違う。違う。これは鈴や理樹に配る分だ」
「ふーん。ならいい」
「毬子、本物のクリスマスプレゼントはこれこれ」

 だからクリスマスプレゼントはいらないと言っていたのに、またこの両親は話を聞かない。
あたしはご馳走さえ食べられればそれでいいんだ。
きょーすけが買ってくるものなんてどうせ変なものに決まっているし、母様のセンスも一般とは少々ずれている。

「毬子! 毬子!! 絵本よ~! これ仕掛け絵本でね。人気作家の少数限定、で市場では絶対に手に入らないものなのよ」

 わーわーと興奮しているが、それは今の喜びようと趣味嗜好を顧みるに、どちらかと言うと母様へのクリスマスプレゼントなんじゃないのか?
確かにクリスマスプレゼントはいらないと言ったが、口ではあたし宛てと言ったくせに、実情が他の人の為のプレゼントだったりするのは腹が立つ。

 なんだ、きょーすけの馬鹿。呼び捨てにする娘よりも、取り合えず外見だけは美人な母様の方が大事なのか。
普通は父親は娘を溺愛するのがセオリーだろう。あたしは邪魔なのか。この野郎め!

「あとこれもプレゼントだ」

 そんなあたしの不満に、微塵も気付いてないような様子で、きょーすけは絵本に巻きついていた赤いリボンをあたしの目の前でひらひらと振ってみせた。
最初に見た時にはプレゼント用の包装の一部とばかり思っていたのだが、よくよく目を凝らすと、しっかりした売り物の作りなのだと気付く。

「なんだこれ?」
「欲しいって言ってただろう」
「?」

 何の事だかさっぱり分らない。
きょーすけがおもむろにあたしの体を持ち上げて、あたしを自分の膝上に乗せたものだからビックリした。

「な、な、何をする!?」

 あたしの抗議を無視し、下ろしたままのあたしの髪を持ち上げると、きょーすけの手は魔法みたいに動いて何かを完成させてしまった。
混乱するあたしに、にこにこして手鏡を持ってきたのは母様だった。

 鏡の世界を恐る恐る覗き込んでみると、見慣れた物が目に入った。

 お団子にされたあたしの髪と、それを結ぶ真っ赤なリボンと星の髪飾り。

「母様のリボンだ」

 子供の頃から今もつけている、あたしの母様のチャームポイントだった。

「流石、斉藤ショップだぜ。寸分の狂いもなく同じモノを用意できるとは」

 斉藤ショップは思っていたよりも凄いお店なのかもしれない、とあたしは悔しいが考えを改め出した。

 それにしても、

「母様と同じなんて、恥ずかしいぞ……」

 でもあたしの声は小さい。

 昔からそうだった。
我ながら勉強は出来るし運動も出来るし、自分の意見もズバズバ言う女の子だった。
両親はそんなあたしを自慢だと言うし、あたしだって自分のことが嫌だった訳じゃない。

 でも一つだけ不満があった。
あんまりに母様とあたしの性格が似ていないのだ。

 外見は割かし似ていると思うのだが、きょーすけの妹で母様の親友である棗鈴と、あたしと母様が一緒に話して歩いていると、みんながあたしのことを棗鈴の子供だと勘違いするのだ。
どうも他人から見ると、あたしと鈴さんの性格はそっくりらしい。
父様を『きょーすけ』と呼ぶところなんかも同じだし。

 それがどうにもつらい。

 別に鈴さんが嫌いな訳じゃない。
ただ母様の子供だと思われないのが嫌なのだ。

 もう少し女の子らしく慎ましやかで可愛らしい性格だったらと、後悔した夜は数知れない。
そんな時に言ったんだ。

『いつもつけてる母様のリボンが欲しいなぁ』
(だって同じ物をつけていれば、誰もが母娘だって一目でわかると思って)

 あたしの顔、今、真っ赤になっている。
嬉しい。でも恥ずかしくてそんな事は言えない。

 鏡を一目見た後、顔をあげられないでいるあたしに声がかけられた。

「絵本、一緒に読もうか」
「う、うん」
「じゃあ、毬子は私の膝の上ね」
「おーい、俺をのけ者にする気か?」
「わ、そうだね。三人で一緒に読もうね」

 結局、きょーすけの膝の上に母様を乗せて、その上にあたしを乗せる、なんとも奇抜な体勢になってしまった。

 感情表現豊かに大声で絵本を読む母様は子供にしか見えなかったけど、その声色と眼差しの端々にあたしに対してこそばゆい感情が向けられているのが分かった。
 きょーすけは、ぐふっとかうぐぅとかあまりに二人分の体重が重くて死にそうな情けない声を上げていたが、やっぱり同じ感情があたしと母様に向けられているのだ。

 あたしの母様と父様は、変態仮面で喜んだり、絵本を貰って喜んだり、ちっとも親らしくない。
でもあたしはそんな両親が、本人たちには言わないが大好きなんだ。

―完―

ちなみに毬子は頭の良い鈴ってイメージで書いています。あとママ、パパ呼びが正確な設定(小毬の妄想)っぽいですが、それとはまたちょっと違う設定と言うことで、母様呼びだったりきょーすけ呼びだったりします。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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