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Author:喫茶案内人
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棗兄妹、ALL、恭介×小毬話が主成分です。
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有給休暇は今のうち―リトバス☆戦記―
こちらはゲーム「リトルバスターズ!」のパロディ小説を置く臨時特設ページです。飽きるまでゆるりと応援するつもりです。(飽きっぽいですが)おまけに更新速度も遅いです。
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リトバスSS「夢獣夜 第一夜~第三夜」(ALL)
※夏目漱石の「夢十夜」をモチーフにしたSSS連作。
リトバスメンバーで一夜に一人主人公×10+おまけの予定。
今回は第一夜「棗鈴」第二夜「西園美魚」第三夜「能美・クドリャフカ」(グロ注意)を収録です。



夢獣夜
第一夜「棗鈴」

こんな夢を見た。

鈴が水溜りに飛び込こんでは興味深そうにしていたから、何をしているのか聞いてみた。

すると彼女は水溜りの中には別の世界があるのだと言う。
興味をそそられて一緒に飛び込んでみたが、世界は何も変わったところは見受けられなかった。

もう一度飛び込んでみた。
また飛び込んでみた。
更に飛び込んでみた。

何十と飛び込んだだろう。
結局何度やっても目に見える景色は変わらなかった。

いいかげんに飽きてきて、

「もう止めよう。世界は何も変わっていない」

と言うと、鈴は不思議そうな顔をした。

「どうしてだ?何回も何十回も変わってしまっているじゃないか」

そうしてよくよく周りを見ると、目の前を通り過ぎた見知った仲間は誰も自分たちを振り返らなかったことに気付いた。

これじゃあまた友達になるために、ミッションをしなければならないなぁと思った。
思った途端にまた水溜りに引っ張り込もうとするから、いい加減にしてくれと思った。

鈴もこの事態に困っていると思っていたのだが、彼女は嬉しそうだった。
どうして嬉しそうなのかと聞くと、

「とりあえずお前がいるからな。あたしに話し掛けてきたのはお前がはじめてだ。名乗ってもいないのに名前も知っていた。だから嬉しい!」

そのとき何度も水溜りに飛び込んでいた鈴の姿を思い出した。
そうか、一緒に飛び込む前から世界は別のものに変えられていたのだ。

第二夜「西園美魚」

こんな夢を見た。

町のコインランドリーを訪れると西園さんがいた。
僕は汚れた服をずらりと並ぶ洗濯機の一つに入れた。

「西園さんは洗濯終わったの?」

「いえ、はい。そのはずなんですが……」

要領を得ない彼女の言動に不信を抱くと、西園さんは重ねて言った。

「洗濯したはずなのですが、どこにもないんです」

それは大変だ。

「まさか、盗まれた訳じゃないよね?」

「いいえ。私は一歩もここから離れてないのでそれはないと思います」

西園さんが洗濯物を回していた洗濯機の中を覗かせてもらったが、確かに影も形もなかった。
とりあえず、周囲を探してみる事ぐらいしか思いつかなくて、僕らは室内を探し回る事にした。

「ここのコインランドリーはよく使うの?」

「はい。直枝さんは初めてでしょうか」

「うん」

「ここのコインランドリーは、汚れがよく落ちる事で有名なんです。どんな汚れも、衣類を本来在るべき姿へと戻してくれるんです」

僕はそのセリフが妙に引っ掛かった。

西園さんが衣類を入れていたという洗濯機の中に手を突っ込む。
下にはない。
上の方に手を伸ばすと、

くにゅり

張り付いていた布の感触がした。

「あったよ」

取り出してみたが、僕の目にもそして西園さんの目にもたぶんこの洗濯物の姿は映っていない。

「本当によく汚れが落ちるみたいだね」

僕の手の上を触れてビックリした顔をする西園さんに思わず言ってしまった。
なんて言ったって、白どころか透明になるまで汚れを落とす洗濯機なんだか大したものだ。

第三夜「能美・クドリャフカ」

こんな夢を見た。

がらんがらん。

境内の鈴が鳴った。
濃い霧のせいで視界が悪い。

「鬼子母神の物語を知っていますか」

拍手を打って目を閉じたまま、クドは僕に問い掛けてきた。
僕はその問いに知らないと答える。

「鬼子母神は人の肉が食事なのです。だから彼女は人間の子供を攫っては、その肉を喰らっていました。でも仏様はそんな彼女の行いを見て鬼子母神の子供を一人攫ってしまいます。千人いた子供のうちのたった一人です。でも、母親である彼女にとっては、そのたった一人いなくなってもそれはそれはつらくて胸が裂かれるほど悲しいことでした。『千人のうちの一人でこれなのだから、一人しかいない子供をお前に食われた母親は、どんなにつらかっただろか』そう諭されて以来、鬼子母神は子供を守る神様に変わったのです」

仏教の話のようだった。

「改心した鬼子母神は、人間の肉の代わりに石榴を食べるようになりました。このお寺は鬼子母神を祭っているところです。見て下さい、あの絵馬にも石榴の絵が描かれています」

彼女の指の先にはたくさんの願い事が書かれているであろう、石榴の絵の描かれた絵馬があった。

「そしてこれは供物なのです。本当は鬼子母神に捧げないといけないんですが、……わふー」

差し出された白魚の手の中で、真っ赤な石榴が彩られる。
耳鳴りがした。

「食べてください」

えっ?と僕は言ったんだと思う。
でも声は聞こえなかった。

「あなたに食べて欲しいんです」

震える手が石榴へゆっくり伸ばされる。

僕は、石榴を――
その血滴る石榴を――

僕は僕は僕は僕は僕は僕は、

いつの間にか霧が晴れていた。
クドは迷子の子犬のような顔をしていた。

「食べて欲しかったのに」

霧の向こうにたくさんの犬の屍があった。
供物の為に犠牲になったもの達だった。

石榴を乗せていた手を引っ込めるクド。

その石榴は本当は、クドの――

ごふり、

切り裂かれて、肉を抉られた身体から、鮮血が溢れた。

――そうだ。石榴が人肉の代わりになれないように、
誰も何かの代わりになんてなれるわけがない。

この世界はそうやって出来ているんだ。だったら。

そして僕は倒れた彼女の手からこぼれた石榴を――

第四夜へつづく。
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